依然夏休み 古川亜希
くたくたになるまで泳ぐ たとえもし泣いたとしても気づかれないし
プールには老若男女 それぞれはみんなひとりで来ていたみたい
青白い光を灯す自販機にひらひら飛んで近づいていく
朝焼けをケータイカメラで撮ってみて 君をやっぱり無理やり起こす
焼きそばを作っていたら熱烈な視線 ぬいぐるみと見つめ合う
改札でハイタッチしてカップルがそれぞれ帰路についていく夜
飛び乗ってしまいたいけど西行きの新幹線に行き先はない
弔電を打った 定型文だけで 他の言葉は独り占めした
欲しくないビニールの傘買っちゃった だって仕方がなかったんだよ
お化け屋敷みたいな美術館のこと おばけみたいな水音のこと
はじめての内緒話を聞きながらじっと見ていた下まつげ長い
夕方の電車にゆられてるとここはやはり知らない町だとおもう
まぶしくて目をつぶる毎少しずつ近づいている錯覚 光
いったことなかったかもね 隠しごとなんてひとつもしなかったけど
胸が痛む夏の思い出 そんなものいつの間に手に入れたんだろう
さようなら・いってきますのキスをした 今年の夏はこれでおしまい
(2010.10.01)
くたくたになるまで泳ぐ たとえもし泣いたとしても気づかれないし
プールには老若男女 それぞれはみんなひとりで来ていたみたい
青白い光を灯す自販機にひらひら飛んで近づいていく
朝焼けをケータイカメラで撮ってみて 君をやっぱり無理やり起こす
焼きそばを作っていたら熱烈な視線 ぬいぐるみと見つめ合う
改札でハイタッチしてカップルがそれぞれ帰路についていく夜
飛び乗ってしまいたいけど西行きの新幹線に行き先はない
弔電を打った 定型文だけで 他の言葉は独り占めした
欲しくないビニールの傘買っちゃった だって仕方がなかったんだよ
お化け屋敷みたいな美術館のこと おばけみたいな水音のこと
はじめての内緒話を聞きながらじっと見ていた下まつげ長い
夕方の電車にゆられてるとここはやはり知らない町だとおもう
まぶしくて目をつぶる毎少しずつ近づいている錯覚 光
いったことなかったかもね 隠しごとなんてひとつもしなかったけど
胸が痛む夏の思い出 そんなものいつの間に手に入れたんだろう
さようなら・いってきますのキスをした 今年の夏はこれでおしまい
(2010.10.01)
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by lieutenant_duck
| 2010-10-12 21:55
| 短歌